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かわらばん地域版57号 2018年9月

「地域での産業創出の取り組み」
   企業をサポートし隊シリーズ -S I C 編- What is “Incubation” ?
1 .ビジネス・インキュベーション

 1959年、アメリカ・ニューヨーク州バタビアという町で、ジョセフ・マンキューソさんが古い工場を小分けに改修し貸しオフィスとして創業者に低廉で提供し、事業が軌道に乗るよう経営相談を行ったことが起源とされ、多くの国々で活用されています。

 日本では、1980年代後半から第1世代のビジネス・インキュベータが整備され、SICは、バブル崩壊後の新事業創出を担う経済施策にもとづき2000年にSIC-1をオープンさせ本格的な活動を開始しました。その後、国内では数多くのインキュベーション施設が開設されてきました。

2 .SICでの産業創出の取り組み

 入居者・地域企業の皆様のさらなる成長・躍進に向けて、IM(インキュベーション・マネージャー)が専門家の方々ととともに個々の経営課題の解決をお手伝いする活動がまさに「ビジネス・インキュベーション」です。一方、相模原市などとともに地域での産業創出を目指した産業政策に資する活動にも取り組んできました。相模原・町田を中心とする首都圏南西地域から新産業創出を目指した「南西フォーラム」は、今年で15年目を迎えます。

 平成27年度からは、ものづくり企業の自動化・生産性向上を進めるために、産業用ロボット導入支援事業に取り組んでいます。中小企業へのロボット導入には、自動化システムの最適な提案、製作、設置、運用を担うシステムインテグレータが不可欠にも関わらず不足しているため、昨年度から養成講座を開始し、今年は12月に開講予定です。

 来る10月2日には、7月に設立された「FA・システムインテグレータ協会」の方々などをお迎えし、「第2回産 業 用ロボットビジネスフォーラム」を開催します。

 ところで、国内ビジネスインキュベーションの発展を目的とするJBIA(日本ビジネス・インキュベーション協会)では、ビジネス・インキュベーションを広義では「産業創造」を指すと言います。起業家が個々に取り組む新事業への支援だけではなく、地域において新しい産業を創出していく産業創造までを包含するという概念です。

 SICが取り組む地域産業振興に関わる活動も、こうした広義の「ビジネス・インキュベーション」と言えそうです。

- 担当IMから -

SICは、個々のビジネスを創造する場であるとともに、多くの方々の出会いや交流の場でありたいと思います。SICが触媒となりビジネスの火を灯し、地域での産業創出という光明に繋げていきます。来年で成人式を向かえるSIC、さらに皆様・地域のお役に立つように、皆様とともに創造していきます。

○ 取締役 事業創造部長 安藤 重夫 ○

相模原出身。相模原市に入庁、教育委員会青少年課で青少年団体育成、総務部職員課で給与支給・人件費積算管理、都市交通計画課でバス対策、鉄道計画(夢のリニア中央新幹線新駅が現実化しました)などの業務を踏まえ、SIC-1オープン直後のSICへ出向、皆様の熱い情熱をいただき社員となり、現在に至ります。
取締役 事業創造部長 安藤重夫
南西フォーラムの様子