かわらばん

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かわらばん入居版178号 2019年3月

Ronkジャパン株式会社
   「中国と日本の架け橋として貢献できる企業へ」
【代表プロフィール】
Ronkジャパン株式会社
代表取締役 高山 建(たかやま けん)
1964年中国・上海出身、相模原市在住の55歳。

【起業しようと思ったきっかけ】
 高山さんは上海の大学で電子工学を学び、5年間宇宙開発関連の実務に携わり、研修生として来日しました。大手電機メーカーで日本のモノづくりを学び、日本に留まることを選択。その後、大手電機メーカーで、中国市場の開拓など日本企業の中国進出を後押しするような仕事をされた事で、中国と日本の架け橋としてのビジネスの可能性を感じ、2000年には日本国籍を取得し、2006年1月にRonk上海、同年6月にRonkジャパン株式会社を設立しました。

 上海にスタッフが8名、日本にスタッフが2名、上海とはほぼ毎日Skypeで打ち合わせをしながら事業を進めていますが、時々刻々と変わり行く中国情勢を睨みながら毎月のように日本と上海を行ったり来たりと、忙しい日々を過ごしています。

【事業紹介】
 創業時は、中国人エンジニアの人材派遣、メカトロ機器や電子機器部品の受託開発などを手掛けていましたが、派遣業法改定など環境の変化によって苦戦の連続でした。そこから、“強みを伸ばそう。自社の強みを活かしたオリジナルの製品開発をしよう!”と決断し、デジタル無線技術を活かした製品開発に集中した結果、デジタルワイヤレスの常識を破るデジタル低遅延無線モジュールを開発し、国内中堅音響企業で採用されました。

 デジタル無線通信は、ノイズが無くクリアな音質が特徴ですが、送受信時のアナログとデジタルの変換で遅延が発生する課題に対して、同社では、業界最高水準の低遅延0.6mSの極めて遅延が少ないモジュールを実現しています。

 現在、デジタル無線技術をベースに次世代のデジタルワイヤレスインカム、デジタルワイヤレスガイドシステム、デジタルワイヤレスマイクなどのデジタル無線商品、「低遅延2.4GHzワイヤレスヘッドフォン」の開発、製造、販売を行っています。

 これまでに、演目の解説が聞ける「イヤホンガイド」は歌舞伎座で採用され、離れた場所でも有線音楽を楽しめるよう楽曲表示機能などを搭載した「リモコンスピーカー」はUSENへ納品しています。

 また、高齢化社会への貢献として聴力低下でお困りの方へ「音の悩み」をサポートする高音質スピーカーを内蔵した「サウンドスキップマルチ」なども手掛けています。

【これからの夢または目標】
 無線業界がアナログからデジタルへ移行し、時代は大きく変わってきています。電波は国民の財産であると言います。デジタル無線技術を使ってその財産を最大限社会貢献できる企業に育てたいと言う思いは設立当初から変わりません。デジタル無線技術に、あらゆる分野で色々な可能性が見えてきている昨今、これまでもそうであった様に、諸情勢を見守りつつ、今後も日本と中国の架け橋となるよう、Ronkジャパンの得意技術を投入して行きたい。そのためにも、今は、自社製品の営業活動に力を入れたいと語る高山さんです。

【取材を通して】
 2009年10月に取材させて頂いてから約10年が過ぎましたが、その時と変わらない情熱とパワーを感じました。当時と変わらずお忙しい日々を送られていますが、スタッフの山口さん、小山さんのお陰で、新たな開発に注力出来ることを嬉しそうに話されている高山さんが印象的でした。(SIC荻島)
左から 小山さん、高山社長、山口さん
日本最軽量のワイヤレスガイドシステム (軽量・小型・ノイズの入らないクリアな デジタル音質が特徴:ノイズ除去技術)
デジタルワイヤレスヘッドフォン (低遅延技術)
業務用カラオケマイクシステム(低遅延技術)