かわらばん

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かわらばん地域版61号 2019年5月

株式会社メディアプラス
   魅力ある会社づくりで事業拡充を目指す!!
 各種ソフトウェアの構築・運用を主な事業としている株式会社メディアプラスの金沢勇社長を相模原市中央区千代田の本社に訪ねました。

 新潟県長岡市出身である金沢社長は、同県の地方新聞社に勤務していた父親の転勤に伴い、小学生時代は上越市へ、中学生から高校生時代は新潟市へと同県内を転々とする。近くには川や山、田んぼなどが広がる自然に恵まれた場所だ。そんな風光明媚なところで、勇少年はよく川でフナ釣りをして遊んだそうだ。高校生時代には軽音楽サークルでハードロックに熱中し、曲のボトムを支えリズムを生み出すベースギターを担当。同時にコンピュータ部にも所属するなど、この頃からシステムエンジニアとしての資質や片鱗を窺わせるようになる。高校卒業後は、横浜国立大学理工学部電気情報科に入学し、神奈川県横浜市内で下宿生活を始める。この頃、自動車のメカにハマり、部品購入やラリーに必要な資金調達のため、大学にはほとんど行かず、学習塾で数学の講師のアルバイトに明け暮れる日々を過ごす。その当時、塾生の成績管理用のプログラムをサクサクと構築したことが思い出に残っていると当時を振り返る。その結果、同大学には5年間通ったものの残念ながら卒業をあきらめ就職することにしたそうだ。就職活動では、コンピュータ用のマルチタスク・マルチユーザーのオペレーティングシステムの一種であるUNIX(ユニックス)を使ってみたかったことから、それを保有していた相模大野にあるソフト会社に入社、およそ3年間勤務したなかで、ソフトウェア開発設計に関する一通りの知識やスキルを身に着けた。ちなみに、初期のUNI Xはアセンブリ言語のみで開発されたが、1973年にはほぼ全体をC言語 ※1 で書き直したため、歴史上はじめて高水準言語で書かれたOS(オペレーティング・システム)であるといわれ、価格も当時は数百万円もする高価なものだったそうだ。ソフト会社退職後は、フリーでWindowsをベースにコンピュータグラフィック等いくつかの受託業務を手掛けていたが、さらに尖ったものを作りたいという思いから、平成5年(1993年)11月に大学時代の友人と共に相模原市中央区富士見にて株式会社メディアプラスを設立させた。

 法人設立以来、組み込みソフト、デバイスドライバから各種計測・制御システム開発、3次元CADや画像解析などの応用アプリ、Webベースの業務システムなど様々なソフトウェア開発にワンストップで対応しているのが同社の特徴だ。現在、①3次元CADシステム関連 ②教育(教科書・eラーニング)システム関連 ③メーカーシステムの3つを事業の柱として、その受託割合はそれぞれ30%程度、中小企業から中堅・大手まで幅広い取引先を持つ。景気にあまり左右されない教育関連事業を手掛けていることで安定した売上の確保を実現。今年で業歴26年目となる同社は、初年度こそ赤字を計上したが、以後、毎期着実に黒字を積み上げてきている。もともとデバイスドライバ(ハードウエアを制御する)などWindowsの設計開発を得意としており、システム開発に欠かせないソフトウェアの知識はもちろん、ハードウェアやOSに加え、VR(バーチャル・リアリティー)・通信などの周辺分野に関する専門知識にも長けている。まさに、システム開発の豊富な知識と技術力が同社の大きな強みと言えるだろう。

 現在同社は、こうした強みを生かせるロボット関連事業のさらなる拡充を目指し、大きな成長が見込まれる産業用ロボット事業分野にチェレンジしている。特に三次元力覚デバイス(ハプティクスデバイス)を使用して、ロボットアームを高い精度で遠隔操作、記録、再生するためのシステム分野に積極的に取り組んでいる。実際の手作業と同様の感覚でロボットを操り、一度した操作は何度でも再生できるため、特別な知識や技術の習得なしに手軽にロボットを活用することができる。ビジョンに頼らず遠隔制御の要素技術である力制御を使用することで、他社ではできないと言われた案件でも対応可能となるケースがあるという。技術開発スパンがどんどん短くなってきている今、これからは何といっても「スピード」が大事。そのために必要不可欠な“技術力ある社員”も揃っており、常に「スピード感」を持って仕事に取り組んでいきたいと語る金沢社長。

 そんな金沢社長は、2017年度より相模原市・相模原商工会議所が推進する「さがみはらロボットビジネス協議会」の二代目会長を務めている。同協議会は2014年、中小企業のロボット市場へのビジネス参入を目的に設立された。相模原市はもともと「内陸工業都市」として長い間積み重ねてきた確かな技術を持つ企業が多く集積する地域であり、モノづくりという観点から、ロボットビジネスを通じた社会への新たな価値創造を目指し活動している。自社の利益・発展だけにとどまらず、地域経済の発展に尽力している金沢社長だ。

 ちなみに、日頃からあまり運動をしてこなかったという金沢社長は、今年1月から週に2~3度のペースでゴルフの練習をはじめたそうだ。練習開始後は、お酒を飲む機会も減り、約4か月で体重4㎏減、ウェスト4cm減と健康管理はもちろんダイエットにも繋がったとのこと。そんな金沢社長は、今後、社員数を増し、事業の拡大充実を図るため、今よりも、もっともっと“魅力ある会社”にしていきたいと意欲を燃やす。常に新しい分野にチャレンジし、不可能を可能にするための努力を惜しまない「メディアプラス」。また、新たなステージを迎えようとしている同社のさらなる挑戦に期待しています。

※1 C言語(しーげんご、C language)とは、コンピュータのソフトウェアをつくる際に使用されるプログラミング言語の一種。

代表取締役 金沢 勇(かなざわ いさむ)
所在地:相模原市中央区千代田 7-6-11
従業員数:7 名
資本金: 1千万円
事業内容: ソフトウェアの受託開発およびソフトウェア技術者派遣、ファームウェアから CG、C/ S システムまで様々なシステムの開発に対応、EC サイトの構築・運用(EC-Cube 開発実績あり)
URL: http://www.media-plus.co.jp/
金沢社長