かわらばん

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かわらばん地域版62号 2019年7月

株式会社小池設備
   『夢』を叶える企業を目指して
 「小池設備は、『夢』を叶える 企業になる!」と満面の笑顔で熱く語るのは、相模原市南区西大沼に本社を置き、管工事業を主要事業とする株式会社小池設備の小池重憲社長だ。同社は、指定給水装置事業者並びに指定下水工事店として、神奈川県や東京都をはじめとする官公庁から上下水道工事などの大型工事を受注すると共に、一般住宅などの給排水・空調・換気、消火などの各種設備工事のほか、個人住宅のリフォームやメンテナンス、バリアフリー工事、外壁塗装及び各種調査事業などの事業を幅広く取り扱っている。

 そんな同社を率いる小池社長は、相模原市南区西大沼の出身、地元大野台の小中学校を経て、横浜商科大学高等学校から横浜商科大学商学部へ進学。小さい頃は近所でも有名な“いたずら坊主”で、ご近所のおばちゃん達によく叱られたそうだ。小学生時代は「キャプテン翼」にあこがれサッカーに夢中になり、中学生の頃は少しでも身長を伸ばそうとバスケット部に入部。毎日牛乳とほうれん草をたくさん摂取したが、残念ながらあまり背は伸びなかったと苦笑する小池社長。大学生時代には、サーフィン部に入部。バリバリの体育会系で、先輩たちから厳しく“しごかれる”毎日、いつも先輩たちの理不尽な怒りにさらされていたと当時を振り返る。大学卒業後は、横浜市内の水道設備会社で約3年間勤務した後、25歳の時に小池設備に入社した経歴をもつ。

 同社は、1972年(昭和47年)に「ご近所の人々の役に立ちたい」という小池社長の父靖憲氏の強い思いから“街の水道屋さん”としてスタート。翌年の1973年1月に法人を設立させた。仕事に厳しく、家庭でも絵に描いたような昭和の厳格な父といった感じだったそうだ。そんな創業者であり父である靖憲氏が、病気のため急逝されたのは2001年。小池社長が若干29歳の時だ。あまりにも突然で、じっくり考える時間もないまま事業を承継することになった。昼も夜もなく“事業継続”のために身を投じた日々が続く。社員の中には、将来に不安を感じて退社する人もいた。当時、社員からの「社長、ちょっとお話が・・・」という言葉に、また辞める話かと思ってしまうほどだったそうだ。そんなことで、今でも社員から「社長、ちょっとお話が・・・」というフレーズにビクッとするらしい。

 それからわずか4年後の2005年には、経理を担当していた母桂子さんが余命3か月の宣告を受ける。その時、入院治療中の桂子さんから「大変なら無理して事業を続けなくていいよ」と言われたことが、気持ちの上でのターニングポイントになったのだという。それまで、何事も他責にする自分がいたが、辞めてもいいと言われた瞬間に、続けるのは「自分の決断」によるものとなる。まさに、そこから自己責任を自覚し本気で社長業に取り組むようになったという。そんな矢先、次なる試練がやってくる。2008年、売上の大半を占めていたメイン受注先である建設会社が倒産、創業以来最大の経営危機に直面する。そんな窮地に追い込まれた時、社員全員が今までにない危機感を持ち、一致団結してくれたことでその苦境を乗り切ることができた。まさに「ピンチはチャンス」を実感した瞬間だったという。ちなみに小池社長は、SI C経営塾講師である寺本氏の依頼により母校である横浜商科大学にて、中小企業論の授業の一コマで教壇に立っている。その際、学生たちには「社長は大変だけどそれ以上に愉しい」と事業経営の“愉しさ”(前向きに集まる人たちが心を寄せ合うワクワク感)を様々な失敗談を交えながら学生たちに伝えている。その後、2014年には環境に配慮しながら高品質なサービスを提供できる体制を構築し、より一層お客様の満足と信頼を高めていくためにISO9001(品質)並びにISO14001(環境)を併せて取得した。「私達の仕事の良し悪しはお客様の目に見えにくい。お客様の目に見えるものはメーカーが作った最先端の便器や洗面台などの製品類。だからこそ、“心”ある仕事をすることに社員全員が心掛けています」と語る。こうした一つひとつの積み重ねの結果、神奈川県認定業種等級『特A』クラスの認定を受けるとともに、県企業庁からは優良水道工事業者「金賞」を受賞するなど、安心安全を第一とした技術力に加え、社員の親切丁寧な顧客対応への高い評価・信頼性に繋がっているのだろう。 その他、小池社長は、希望者に「最短6年間で社長になろう!」という社員の「独立支援」運動を推進している。そのきっかけは、特に地方の同業者が事業承継できず廃業に追い込まれるケースを目の当たりにした際、希望者を訓練して送り込むことにより、その事業者と従業員をはじめ、その地域住民の生活を守り、かつ社員の夢の実現にも繋がる「Win・Win・Win」の関係が構築できるからだという。

 お客様の視点で「お客様のために」を実現するために社員一丸となって、今日できることに全力投球で取り組んでいる身近で親切な「まちの水道屋さん」。そして、それを実現してくれるのは社員一人ひとり。まずは社員が自分と自分の夢を大切にすることで、一緒に働く仲間とその夢を大切にする。だからこそ、仕事が楽しくなり、それぞれの大切な「夢」を応援しあいながら叶えられる会社にしたい。そこには「自分の夢を大切にできる人が、お客様の夢を大切にできる」という信念がある。“口に十回出して叶う”の通り、どんどん発信することも大事。その結果、「お客様のために」という企業理念の実現に繋げていくことができたらうれしいと話す重憲社長。今後は「SDGs」にも積極的に取り組んでいきたいと抱負を語る。これからも身近な“街の水道屋さん”として、何よりも「人」を大切に思い、人々の暮らしを豊かにし、「夢」を叶える そんな小池設備さんに心からエールを贈りたい。

代表取締役 小池 重憲(こいけ しげのり)
所在地:相模原市南区西大沼1-18-2
従業員数:34 名
資本金:5 千万円
事業内容: ■木造住宅 ■集合住宅 空調設備工事 ■換気設備工事 
消火設備工事 ■上下水道本官工事 ■造成工事 ■緊急修
理工事 ■舗装工事 ■耐震化工事 ■各種調査 ■一般家
庭の修繕 ■バリアフリー工事 ■排水設備工事
URL: http://www.koikesetsubi.com
小池社長