かわらばん

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かわらばん地域版70号 2021年1月

株式会社クフウシヤ
   “明るく前向きにクフウして”を理念に新たなロボットの開発に挑戦‼
 自律移動ロボットの開発や協働ロボットのシステムインテグレーションを行う株式会社クフウシヤの大西威一郎社長にお話を伺いました。

 もともと中小企業診断士として企業支援に取り組んでいた大西社長。その後、ロボットビジネス支援や、かつてソフトウェア開発に携わっていた経験を活かし、ロボット事業に着手しました。SICには、2019年9月より入居しています。
 同社が力を入れているのは、工場だけでなく、物流・建設・介護などの現場でも活躍する自律移動ロボットやサービスロボットの分野です。特に、自律移動ロボットでは、オープンソース型のROS(Robot Operating System)を採用し、センサやビジョン、AIなどの技術を組み合わせ、あらゆる現場で活躍できるロボットの開発に取り組んでいます。

 そんな同社が開発している自律移動ロボットの一つが、業務用ドライ掃除ロボット「Asion(アシオン)」です。機体に搭載した8つのセンサで周囲の情報を収集・解析し、人や物との衝突を避けながら時速約1.2kmで清掃していきます。連続稼働時間は最大4時間で、1回の清掃で約2,500㎡を掃除することができます。高さは870mm、重さは60kgで、他社製品に比べて吸引力が強く、点字ブロックなどの段差も難なく乗り越えることが可能です。タブレットで操作できる扱いやすさも特長で、本年中の販売開始を目指し開発は最終段階に入っています。本製品は、相模原市内の株式会社キャロットシステムズと株式会社F-Designとの三社で共同開発したロボットとしても注目を集めています。

 また、一昨年からは、福島県南相馬市にも事業所を開設しています。南相馬市には、多様なフィールドロボットの実証実験ができる研究開発拠点「福島ロボットテストフィールド」が整備されています。相模原市と同様に、多くのロボット関連企業が集まる南相馬市に進出することで、研究開発に必要なリソースの確保や現地企業との連携・協業ネットワークの構築が図られました。相模原市と南相馬市という、「ロボットのまち」を掲げる2市にまたがりロボット事業に取り組むことで、地域を牽引するロボット開発ベンチャー企業として大きな期待を背負っています。

 そのほか、自律移動ロボットの開発だけでなく、協働ロボットのシステムインテグレーションにも力を入れています。例えば、株式会社ファブエース(横浜市都筑区)と共同開発したTIG溶接の自動化システム「Co-TIG Welders」では、ユニバーサルロボット社製の協働ロボットを採用しています。本システムは、精密板金の溶接工程に適したコンパクトな設計で、中小企業でも導入・設置しやすいシンプルなものとなっています。特殊なプログラミングの習得も不要で、直感的な操作によって短時間でティーチングできる点も評価されています。作業現場の実情に適した本システムは、すでに多くの導入実績があり、板金業界の生産性向上や品質安定に一役買っています。

 同社では、ソフトウェア開発をコア技術とし、電気制御、回路設計、マイコン開発、メカ設計などロボットの開発に必要な要素を兼ね備えながら、「明るく前向きにクフウして」を理念に挑戦を続けていきます。

株式会社クフウシヤ
SIC-2 R&D Lab. 2312 号室
URL: https://www.kufusha.com/
業務用ドライ掃除ロボット“Asion”