かわらばん

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かわらばん地域版75号 2021年11月

オーセンテック株式会社
   「製造業から手作業をなくそう」を コンセプトに “社員が子供を 働かせたい会社” を目指して!
 バリ取り機、洗浄機、ロボット・IoTシステム、その他周辺機器の製造・販売を行っているオーセンテック株式会社の代表取締役社長である髙田全(ぜん)社長を相模原市緑区長竹にある神奈川テクニカルセンターに訪ねました。

 オーセンテック株式会社は、髙田全社長の父である髙田浩氏(現会長)によって、タレットパンチプレスのレトロフィット、移設、改造、修理等メンテナンス事業を営む会社として2002年8月に法人設立された。社名の由来は、Authentic(本物、正真正銘、信頼、正統派)とTechnology(科学技術、工業技術、応用科学)を組み合わせた造語で、「本物・誠実・信頼の精神を育んだテクノロジーを提供する会社=Authentec」が由来だ。

 現在、バリ取り機、洗浄機、ロボット・IoTシステムの3部門を事業の大きな柱としており、売上構成はバリ取り機50%、洗浄機40%、ロボット関連10%となっている。そんなオーセンテックの特徴の一つは、幅広い製品ラインナップだ。主力製品であるバリ取り機は、2009年に自主開発された「AuDeBu(オーデブ)1000」の発売以来、お客様のニーズや要望を積極的に取り込み、自社独自の「AuDeBuシリーズ」として様々な機種を世に送り出している。この「AuDeBu」とは、Authentec Deburring Machine(オーセンテック・デブリング・マシン)の組み合わせから生まれたブランド名。また、洗浄機はバリ取りの後工程として、バリ取り機と連携させることで粉塵拡散を防ぎながらワーク上下表面の洗浄を1回で行える洗浄機だ。バリ取り後の粉塵の拭き取り作業をなくすことに役立っている。さらに、出荷の際の仕分け作業などを軽減するワーク回収ロボット「AuDeBu1002 Robot」は、搭載カメラにより製品形状、位置、角度を自動認識し、ロボットアームが自動でワーク(製品)を回収するもので、作業者の移動をなくすことで無駄な動作を軽減することができるというもの。ものづくりにおいて、「バリ取り」は大切な仕上げに関わる重要なパート。安全性や耐久性をはじめ、きれいで精度の高い良い製品をつくるためには欠かせない。メンテナンスを主事業としてきた同社ならではの高い技術力が、提供する製品群に最大限込められている。

 「お客様の声をアイデアに、お客様の笑顔を力に、“ものづくり”に貢献する会社でありたい。そして社員が自信を持ち挑戦し続けることを誇りとしたい」という企業理念を掲げ、「製造業から手作業をなくそう」をコンセプトに、作業者であるお客様の声から新たな製品開発につなげている。そんな同社では、企画開発の専門部署はなく、営業担当者がお客様の「困りごと」を本質から細かく聞き取ることに力を入れている。社交辞令的に聞くのではなく、とことん追求する営業マンの高いスキルが、オーセンテックの大きな強みになっているのだと髙田社長は言う。

 そんな髙田社長は、相模原市南区松が枝町の出身。小学生の頃は、野球が大好きな“わんぱく少年”だったそうだ。子供のころから好きな科目は数学という髙田社長は神奈川大学理学部へ進学。学生時代は学業とともにテニスに熱中、テニス教室のプロ育成クラスでコーチをするほどの腕前だ。大学卒業後は大手電子機器メーカー(プリンター)に10年近く勤務。その後、機械の勉強とグローバル経済で必要な英語力をつけるために米国企業に転職した。渡米後、半年ほどで英語が話せるようになり、デトロイト、シカゴなど全米の日系企業を営業で回った経験を持つ。この経験により英語力はもちろん、海外ビジネス展開や外国人雇用に関するノウハウを身に付けることができたそうだ。2014年、オーセンテックに営業担当者として入社。2018年には、父浩氏より事業承継し代表取締役社長に就任した。

 今後の新たな事業展開として、「CRM(顧客関係管理)とSFAの導入による商談管理(売上・進捗・確度・情報共有)や顧客管理(純正率・リプレイス時期)、メルマガ配信、HPと連動した「足跡追跡」なども独自の管理システム構築。IoTを活用した純正品の稼働把握(消耗品にRFIDチップを埋め込む)。オンラインシステムを活用したスキル伝承システムの実用化。新製品投入サイクルを1台/年とした製品開発戦略などを盛り込んだ事業構想を打ち出している。同時に「SDGs」の趣旨に賛同し全社一丸となって取り組むなど積極果敢な事業展開で、入社当時は6名だった社員数も22名まで増えた。最近ようやく社長としての仕事ができるようになったという髙田社長は、シルバー人材の活躍の場を作り出すために新会社設立計画を進めているのだとか。そして、オーセンテック創設50周年(2052年)に向けて、「社員が自分の子どもを働かせたい」と思える会社にしていきたいと熱く語る。

 これからも「ものづくり」に貢献する会社として、さらに成長し挑戦し続けていくオーセンテックの髙田社長と社員の皆さんに心から熱いエールを贈りたい。

代表取締役社長: 髙田 全(たかた ぜん)
所在地:[本社] 神奈川県相模原市南区相模大野3-3-2-225
    [神奈川テクニカルセンター] 神奈川県相模原市緑区長竹424-1
従業員数: 22名
資本金:  1,000万円
事業内容: バリ取り機・洗浄機・ワークロボット等の製造・販売
URL: https://authentec.jp/
髙田社長
バリ取り機AuDeBuCX