かわらばん

かわらばん

    
かわらばん地域版83号 2023年3月

旭フォークリフト株式会社
   アスリート魂をベースに 100 年企業を目指す!
 フォークリフトの販売を主な事業とする旭フォークリフト株式会社の代表取締役である横江利夫社長を相模原市中央区田名の本社工場に訪ねました。

 今年、創業50年を迎える旭フォークリフト株式会社は、三菱ロジスネクスト株式会社の特約店として、フォークリフトの新車販売をはじめ、中古車販売(全メーカー対応)、リース・レンタル、整備・点検・自主検査事業などを手掛けている。“トラックの動くところにフォークあり” のごとく、取引先は物流関連から製造業や建設業を中心にホームセンターや自衛隊・海上保安庁まで幅広い。“安全第一だもん” のヘルメットをかぶったオリジナルの“くまモン” をイメージキャラクターに、お客様に親しみと安心安全を重視したサービスを提供している。

 現在、特約店加盟会社関東地区で売上第2位の実績を誇る同社は、昨年「神奈川がんばる企業(全34 社)」に認定され、さらにその中から「神奈川がんばる企業エース(全9社)」にも認定された。独自の工夫を実施して付加価値の増加や利益率の向上を実現した企業が対象で、さらにビジネスモデルの独創性や地域への貢献度などが優れていることが認定要件になっている。本業(BtoB)のビジネスが堅調に推移していることはもちろん、近年では社員のアイデアから生まれた新商品を世に送り出すなど消費者向け(BtoC)にも積極的にチャレンジしていることが高く評価されたもの。例えば、大ヒット商品である「雪かき王子」がその一つ。フォークリフトの爪にオリジナルの雪かきバケットを差し込むだけで簡単楽々に雪かきができる優れもの。サイズやカラーバリエーションも豊富で、年間限定生産分がすぐに完売してしまうほどだ。そのほか車体についた傷をあっという間に修復するフォークリフト用のタッチアップスプレーや使用済みエンジンオイルの一斗缶をデザイン性豊かにリメイクしたおしゃれな椅子“いす缶” なども社員のアイデアによるもの。個人向け商品として若い世代にも好評を得ている人気商品だ。

 こうしたヒット商品が生まれる要因は、同社の企業風土にある。横江社長は、社員が出してくれたアイデアは必ず1 回は試してみる。なんでもやってみようという社風、常にみんなが挑戦する気持ちを持って動いている。もちろん没ネタも多いですが、特に若い社員からの提案は自分も学ぶことが多いのだという。そして、特に大事にしているのは、社員一人ひとりの“人生” です。その人生の大半を過ごす会社が楽しくないと人生も楽しくありません。だから常に会社は「楽しく」なるよう心掛けていますと横江社長。

 そんな横江社長は、1974年寅年生まれの49歳。小学校2年生の時に野球と出会う。全国から選りすぐりの野球少年が集まる名門「調布リトルリーグ・シニアリーグ」に見事入団。負けず嫌いな性格で人一倍練習に励み一軍へ。12歳の時には日本一となり、アジア選手権に出場して3位となる。さらに、15歳の時にはシニアリーグのMVPにも輝いた。高校時代は、甲子園で優勝3回準優勝3回の成績を誇る名門・日大三校野球部に入部し、2年生の東京都秋季大会では打率0.497を記録した。惜しくもあと1勝のところで甲子園出場を逃したが、もし出場していたら、ゴジラ松井の0.502に次いで出場選手中第2位の記録だった。東京農業大学進学後も野球一筋の横江社長は、元広島でメジャー経験もある黒田氏からホームランを打ち勝利した経験もある。現在も生まれ故郷の調布でクラブチームを結成し、監督兼選手として現役続行中である。ちなみに、最近では息子(長男)がクラブチームに加わり、同じユニホームでプレーすることができ喜びもひとしおとのこと。

 自分はアスリートなので「目標遂行能力」は高く「これをやると決めたら絶対にやるんです!」と熱く語る横江社長。そのとき大事なのは、やると決めた目的を明確にすること。また目標を数字にして分かり易くシンプルにする。さらに目的を遂行できたか、出来なかったかを含めて毎回追及すること。野球は9回裏のスリーアウトを取って試合が終わったときに1点多いチームが勝つスポーツです。例えば、1回表に10点取られても9回裏が終わるまでに1点多ければ勝ち、最後まで諦めずに一生懸命頑張ることが大事。この明確でシンプルなルールを会社でつくれたらと思っています。そして、月次目標を達成したら、みんなで焼肉を食べに行くことも忘れない(笑)。そうすると、それぞれの社員が役割を遂行し、自然とチームワークも生まれてくるのだとか。選手時代やクラブチームの監督経験から生まれた“アスリート魂” が、会社経営のベースとなって人と組織を創り上げている。これまで横江社長は、相模原商工会議所の青年工業経営研究会会長や同工業部会副部会長、神奈川県中小企業家同友会相模原支部長、建設荷役車両安全技術協会支部長などの要職を務め、産業界のネットワークづくりと共に市内在住アスリートを応援するなど地域社会にも大きく貢献している。

 今後の目標は“100年企業” を目指すこと。「大きな会社より、いい会社をつくる」という思いを胸に、社員や取引先への感謝の気持ちを忘れずに、先代社長が懸命に残してくれた会社を次の世代に繋げ、社員が明るく楽しい人生を送れる会社であり続けたいと横江社長。長年続けている社員旅行は毎年社員数も家族数も増え、ハイエースからマイクロバスへ、そして今では大型バスになったそうだ。アスリート魂をベースに社員のアイデア商品を多く生み出し社会に貢献する独創企業として、これからも挑戦し続ける“旭フォークリフト” に心からエールを贈ります!

代表取締役: 横江 利夫(よこえ としお)
所 在 地:神奈川県相模原市中央区田名2931-4
従業員数 :20名
資 本 金:1,000万円
事業内容 :フォークリフト(新車・中古車)の販売、
      リース・レンタル、買い取り、整備・点検、
      オリジナル商品の製造・販売 等
URL:https://www.asahifork.com/
横江社長