かわらばん

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かわらばん地域版94号 2025年1月

全国に広がるインキュベーション活動
   ~インキュベーション・マネージャー養成に貢献するSIC~
 SICはビジネス・インキュベーション(以下、BI) 活動を行う支援機関として、一般社団法人JBIAに団体登録しています。JBIA(日本ビジネス・インキュベーション協会)は産業創造を目的として主に起業家やベンチャー企業、近年ではスタートアップ企業を支援する人材の育成・輩出、またそのためのネットワーク形成や、支援活動に必要となる情報の収集・共有・アップデートを行っており、SICはJBIAと、また全国の産業支援機関と相互に協力しながら日々、研鑽にも努めています。

 起業家等の支援に従事する支援者、ひいては地域における産業創造の担い手を“インキュベーション・マネージャー(以下、IM)” と呼び、JBIAではIMの養成研修を毎年実施し、IMの認定制度を設けています。養成研修は約5ヶ月間にわたって、スクーリング、起業者対応実習、BI現地実習がカリキュラムとして構成され、SICは研修生を毎年、全国各地からBI現地実習機関として受け入れています。 2017年には全国にわたる支援機関で活躍するIMの育成に努めてきたとして、JBIAから感謝状を頂きました。今年は秋田県、福島県、神奈川県から各1名ずつ、計3名の研修生を9月に受け入れ、累計は70名を超えています。 研修の中では相模原市の産業特性や重点施策から SIC内の具体的な支援活動を説明し、各地域での活動に関して意見交換も行いました。 研修生と直にコミュニケーションをとり、最新情報や支援実務における課題などを共有することで、SICも日常の支援活動に活かしつつ、さらなるネットワーク形成につなげています。

 さらに、JBIAでは一定の経験と知識を獲得したIMをシニアーIMとして認定しています。前述の IMの養成研修では、指導力や人柄においてふさわしいとされたシニアーIMが各受講生に一人ずつ、インストラクターとして4ヶ月間の指導を行います。SICは全国でもIM数が多いBIに位置付けられ、全10名の認定IMのうち、3名がシニアーIMとして登録し、毎年インストラクターとなって他地域の新人IM育成にあたります。支援活動に従事している現役のIMが後進の育成にも従事するスキームは机上の理論にとどまらない、実践型の育成システムとも言えます。JBIAシンポジウム2024(令和6年11月8日(金)開催 テーマ:「IM養成のエコシステム」於:機械振興会館研修室) では全国96名のシニアーIMから4名がインストラクター報告を行い、 SICの片山(事業創造部インキュベーション課長)が『主体的な“支援機会の創出” でIMマインドを醸成』と題して活動報告と、地域でのスタートアップ創出におけるIMの役割などについて、SICで実際に行っている支援活動や成果をもとに発表しました。

 地域を超えて広がる起業家支援活動において、SICは支援者の育成にも貢献しながら相模原を地盤としたインキュベーション活動に、これからも邁進していきます。