子どもアントレ
（さがみはら子どもアントレプレナー体験事業）

1日目

・オリエンテーション、顔合わせ
最初はみんな緊張した様子でしたが、自己紹介タイムでそれぞれ個性的な趣味・特技の話をするうちに打ち解けて、時間内に全員分終わらずに時間を少し延長してもらうくらい夢中でした。アイスブレイクのなんじゃもんじゃでは8つある会社の中で1番と言っていいほど大きな声を出して盛り上がり、アントレ開始1時間もたたないうちに一体感が生まれていて、このメンバーでどんな会社ができていくのか、とても楽しみに感じました。商品見学では、実際にサンプル商品に触れ、商品を決める話し合いは2日目にあるけれど、すでに様々な意見を交わしはじめていました。会社や役職、商品についての講義を聞く時間が大半だったこともあって、少し退屈かな、と思っていたけれど、みんなはテキストを真剣に見ながら話を聴き、メモを取ったり、隣のメンバーと意見を交換してみたり、積極的に講義に参加していました。自分から挙手をして全体に意見を発表してくれたメンバーもいましたね！

2日目

・会社設立
6日は欠席だったメンバーも加わり、ついに6人全員が集合して、まずは役職決め。社長は立候補者が1人だけだったためすぐに決まり、その後は社長を中心に、立候補やメンバーからの推薦をふまえてみんなで話し合ってスムーズに決めることができました。販売場所決めでは、『やっぱり外側の方がたくさんのお客さんの目に入りそう！』『でもエスカレーターがここにあって、こっちから出てくるから…』と、たくさんの意見が出てきてなかなか決まらず…！なんとかまとめたものの、他の会社と希望がかぶってしまい、ルーレットの結果、残念ながらみんなが希望した場所とは違う場所になってしまいました。しかし、商品決めでは他の会社とかぶることなく、第１希望にしていたお花リースに決定！これにちなんで、お花を使ったリースだからあえて“華やか”ではなくて“花やか”にしよう、といった工夫も加え、社名は「花やかリース工場」になりました。希望通りにならない場面もあり、少し沈んでいたメンバーもいたけれど、『希望通りにならなかったこともあるけど、仕方ない。決まったからには会社のみんなでがんばろう！』と話し合っていたのが印象的で、すでに会社の約束「協力して助け合う。」を行動に移すことができていたと思います。

・事業計画書作成
会社のメンバー全員が納得しているかどうか、銀行の人に信用してもらえる内容になっているかどうか、ということを特に大事にして話し合い、事業計画書を作成しました。大人の女性をターゲットに花やかでカラフルなリースを作ることに決め、必要な材料や道具、経費を考えていく中で、各項目で中心となって進めるマネージャーは決まっていても、その人だけに任せきりにせず、全員が積極的に意見を出しあって話し合いをすることができていました。デコ材料を決めるために何度もサンプル商品を見学に行ったり、土台となるリースの大きさを測りに行ったり、見るべき資料もたくさんあってかなり大変だったと思います。周りの会社が一足先に融資交渉に進んでいて焦ってしまうこともあったけれど、最後の最後まで銀行からの信用を得ることを考え、メンバー全員が納得する事業計画書に仕上がりました。

・融資交渉
事業計画書の清書を完成させ、ついに融資交渉！銀行が空くまでの待ち時間中は大きな声で融資交渉の受け答えの練習をしていたみんなが、銀行のドアの前で静まりかえり、実際に銀行員さんたちを前にして声が小さくなってしまったり、質問されたことにうまく答えられずに黙ってしまったり、緊張がこっちにまで伝わってきました。「これでは飾りの数が足りていないのではないか。」「グルーガンのレンタル時間はこれで足りるのか。」「アルバイトを雇わず、この数を作りきれるのか。」等、たくさん指摘をされ、1回目の融資交渉は失敗。しかし、誰一人落ち込むことなく、むしろ銀行を出た瞬間から改善点を話し合いはじめ、次こそ成功させるぞ！と意気込んでいました。

3日目

・融資交渉
１回目の融資交渉で指摘されたことをふまえて話し合い、事業計画書を直して2回目の融資交渉へ！1回目よりも質問にハキハキ答えることができ、前回指摘したところも直せていると言ってもらえましたが、商品の値段と飾りの豪華さが見合っていないことだけが気になる、と指摘され、惜しくも2回目の融資交渉も失敗。再び事業計画書を直すため、飾りはそのままで商品の値段を下げるか、値段はそのままで飾りを豪華にするか、で白熱した話し合いになり、最後は序盤で決めた商品のコンセプトやお客さんのターゲット層などに立ち返って考え、値段はそのままで飾りを豪華にすることに決めました。まわりではすでに材料仕入れに進んでいる会社が出てきて焦ってしまったり、自分の意見になかなか納得してもらえなくて気持ちが沈んでしまうメンバーもいたけれど、みんなで助け合って、全員が納得するまでとことん話し合うことができました。そして3回目の融資交渉でついに成功！本当に苦労してやっと借りることができたお金を誇らしげにかかえていていました。

・材料仕入れ・商品製造
融資交渉に時間がかかって、最初に考えていたよりも製造時間が短くなってしまったため、仕入れマネージャーと製造マネージャーを中心に急いで材料仕入れ・道具レンタルへ！
それを待っている間に、他のメンバーは役割分担を決めたり、机を作業がしやすいようにしたり。残り少ない時間で効率よく商品を作りきるために、全員が今できることをしようと動いていました。製造中も、配置やデザインを決めるのが上手、グルーガンをうまく扱える、ポスターを描くのが上手といった各メンバーの得意なことに合わせて役割分担を変えたり、作った商品がコンセプトにあっているか、お客さんに買ってもらえるクオリティーか、企画マネージャーを中心にひとつひとつ自主審査したりしながら進めていました。アルバイトを雇うことなく、アントレ全体の目標「あきらめずにチャレンジしよう！」の通り、最後の最後まであきらめずにねばって、自分たちの力だけで商品20個すべてを作りきりました！特に終了間近の集中力と団結力は凄まじかったです！

4日目

・販売準備、販売
朝からアリオ橋本に集合し、販売準備から始まりました。どんな風に並べたら商品をよく見てもらえるか、ポスターが見やすい位置はどこか、販売マネージャーを中心に試行錯誤しながら準備を整えついに販売開始！製造中も販売準備中も『全部売り切れるかな…？』と不安そうだったみんなも販売が始まると、交代でブースの前に出て行って声を張り上げたり、2階にいる人にまで声をかけたり、商品の実物を見せてみたり、全員が様々な工夫を凝らして積極的に宣伝し、販売していました。隣の会社が早めに完売し焦る中、最後の1個がなかなか買ってもらえず、商売の大変さや厳しさを味わうことができたと思います。20個すべてを売り切ったとき、みんなが本当にうれしそうな、やりきった顔でハイタッチをしてくれて、私もうれしくなりました。

・決算、返済
経理マネージャーを中心に決算報告書を作成中、結局アルバイトを雇ったりせず、お金は事業計画書で計画したとおりに使ったし、完売したから決算報告書は簡単に書けるはず！と意気込んだものの、販売中におつりを渡し忘れていたことが判明し、当初の計画とは少しずれてしまっていました。銀行員さんにもおつりの渡し忘れはあってはならないことだと叱られ、みんなで反省し、記入ミスでやり直しはあったものの、無事に銀行にお金を返済できました。社長からみんなに給料を渡そう、となったところで、651円の給料を『500円玉じゃなくて100円玉でほしい！』という人が続出し、両替することに。ここでも何度もやり直して、無事、全員が納得する形でお給料をもらうことができ、みんなとても喜んでいました。

・報告会、修了式
両替に苦戦して時間ギリギリになってしまったけれど、4日間を振り返って感じたことや成果を急いでまとめ、いよいよ報告会！融資交渉の時と同様、いざ本番となると緊張して、しおらしくなってしまうみんなだったけれど、ステージの上でたくさんの人に向かって立派に発表できていました。修了式で修了証を受け取っている姿は4日間やりきった達成感に満ちあふれ、堂々としていて、見ている私まで誇らしく感じました。

BBからのコメント

八木　愛(BB)